『天気の子』感想など(ネタバレあり)

  新海誠監督最新作『天気の子』を公開初日に観てきました。簡単な感想ですがネタバレ含むので観てない方は注意を。

 

 

 

  世界を救うか、一人の女の子を救うか

 

 最終的なこの二者択一は『雲のむこう、約束の場所』を思い出しました。『天気の子』と同じように世界とヒロインが繋がってしまうお話。前作が超絶ヒットした『君の名は。』だけにどうしてもそこと比べられてしまいがちですが、もし複数回観たり考察などする時は『雲の~』を頭の片隅に入れて観るのがいいのかもしれない。ちょっとSF色強めですが。今だとAmazonプライム・ビデオ他色々な配信サイトで観られます。

雲のむこう、約束の場所

雲のむこう、約束の場所

 

 

 事前に監督が「賛否両論分かれるかもしれない」と仰っているのは見ましたが、実際に観て納得。新海監督の作品って大団円のハッピーエンドで終わることは殆ど無く、登場人物たちにとっては納得の結末でも観客から見たらそうでないビターエンド寄りなことも多い。むしろ観客みんなが納得・感動できた『君の名は。』の結末が特殊だったともいえる。だって自分なんかは瀧君と三葉は絶対すれ違って終わると思いつつ観ていたし。

 恐らく第二の『君の名は。』を期待して観に来た人は結末に戸惑うかもしれない。
「きっと世界は救われ陽菜も救われる、そして帆高と結ばれめでたしめでたし」
そんな結末を期待していた人達も多かったはず。最終的には世界よりも陽菜を選ぶわけですが、ただ、賛否両論という言葉の意味はそんな結末が「観客にとって面白かったかどうか」みたいな単純な話ではなく、「もしあなたが帆高だったらどうしましたか?」という問いかけの意味合い含めての賛否両論なのかなと思ったりもする。

 陽菜を救う為に結果的に世界をああしてしまったのが正しかったのかどうか、もっと別の方法はなかったのか、答えは人によって違う。

 自分的には超納得の結末でしたし全面的に帆高支持。だって世界なんかより好きな女の子一人の方が大切だって突っ走れる帆高くん、めっちゃカッコ良かったし!

 

君がくれた勇気だから 君のために使いたいんだ
君と分け合った愛だから 君とじゃなきゃ意味がないんだ

 

(中略)

 

君がくれた勇気だから 君のために使いたいんだ
君と育てた愛だから 君とじゃなきゃ意味がないんだ

 

『天気の子』主題歌 RADWIMPS「愛にできることはまだあるかい」より

 

  この主題歌の歌詞に集約されている気がする。陽菜を救いたい。青空よりも陽菜がいい、陽菜がいないと意味がない。

  そういえば、『君の名は。』に出ていたキャラたちが普通に出てきたのはちょっと驚きました。完全に『君の名は。』世界の数年後のお話だったんですねぇ。嬉しいファンサービス(?)でした。

 

 雲や空、雨の水滴など圧倒的に美麗な描写も相変わらず凄かったですし、これから雨が降る日は遠く雨雲の下、帆高と陽菜が楽しそうに一緒に歩いている姿を思い浮かべてしまいそうです。