ACE COMBAT 7 SKIES UNKNOWN(エースコンバット7)感想

 「♪ 空を自由に~飛びたいな~ ♪ ハイ!エースコンバット!」というわけで、エースコンバット(以下AC)シリーズの最新作『ACE COMBAT 7 SKIES UNKNOWN』が発売されました。自分も発売日に購入しましたよ。

 以下感想はキャンペーンモード難易度ACEでクリア済みのものでネタバレ含みます。

 

 

12年ぶり

 2007年発売のAC6以来12年ぶりのナンバリングタイトル。そんなに出ていなかったのかと驚いた。自分はナンバリングは全てプレイ済み。ただ携帯機種のXシリーズやASSAULT HORIZON、INFINITYは遊んでません。特に好きなのは4と5で、4はめちゃくちゃやりこんだ思い出。4もPS4で遊べるようになりませんか、バンナムさん。

 シリーズ通して続いてる世界観のお話なので、ずっと遊んでるプレイヤーはニヤっとするシーンが色々出てきた。AC4では散々プレイヤーを苦しませ最終的には破壊されたストーンヘンジを逆に守るミッションは熱かったなあ!

かつてメビウス1(プレイヤー)が破壊した

 

グラフィック

 AC7のテーマである「空の革新」。ポイントはやはりグラフィック。雲の広がりや立体感、海面に反射する夕日、キャノピーに付く水滴など本当にリアルで美しい。ミッション中は忙しくて風景をのんびり観てる余裕なんて無いけれど、フリーフライトモードなら十二分に堪能出来るのでHUDを消して飛ぶことをオススメ。

HUDを消して撮ったスクリーンショットは実写と見間違えるほど

 

ゲームプレイ

 初見プレイでは迷わずHARDを選択。それなりにシリーズ遊んでいるので余裕だろうという変な自信があったわけですが途中で気付く。

「今回やたら難しい」

 ひっきりなしに鳴り続けるミサイルアラート、短い制限時間、ノルマスコアの高さ、すぐ破壊される護衛対象、補給(修理)不可のミッションだらけ。何度チェックポイントからやり直したことか。

 ネット上を検索しても「NORMALでも難しい」「EASYで丁度いい」みたいな、そういう声を挙げてる人が多いと感じた。いい機体を買ってやり直した場合に合わせての調整になっているのかも。味方への指示コマンドも無くなったのでクリアするには自分の腕を上げるしかない(ここはシンプルになった)。

 その分ミッションクリアの達成感は凄い。が、「面倒くさい」と思ってしまうことが多かったのが本音(後半のUNKNOWNステージとか)。単純に爽快感を得られるミッションがもっと欲しかった。

 あとこれはAC7に限った話ではないのだが、ブリーフィング画面の表示が軽い参考程度にしかならないことにもストレスを感じてしまった。要は一度やってみないと向いている機体や兵装が分からないのだ。「今回は地上ターゲットが目標のミッションか。じゃあA-10で出撃しようかな」という作戦を立てても空戦メインのアップデートが入り泣きを見ることになる。間違えた構成に気付いたとしてもミッションの一番初めからやり直すしかない。補給可にし、その際兵装だけじゃなく機体乗り換えも可にしたら選択肢が増えてもっと楽しめたと思う。

 

天候

 天候にも悩まされた。リアルな雲がAC7の特徴になったせいか、マップのあちこちに雲がある。あるだけならいいが、視界的な問題や着氷して操縦に問題が出たりと障害物になることも結構多い。

 シリーズお馴染みの低空度制限ミッションは雲より高く飛ぶなというものに変わっていて、ミサイルから雲の中へ逃げ込んだら向こう側がすぐ山の斜面で墜落というのも何回かあった。

 砂嵐でレーダーが見えない、気流によって機体が流される、雷が落ちてHUDが一時的に消える、せっかくの新しいギミックがプレイヤーからは邪魔なだけの存在になってしまっているのが勿体無いと感じてしまった。

竜の巣だー!(違う)

 

無人

 これはストーリーがそういう流れなのでしょうがないが、要所要所、そして最終的に立ちふさがる敵はコンピューターが動かしている無人機。人間には到底無理な超絶機動をしてくるし、苦労して撃墜してもうんともすんとも言わない。ACシリーズの大きな魅力だと思っているドラマ性・背景をあまり感じることが出来なかった。一応ミハイという無人機のデータ元になる人物も出てくるが、ライバルポジションの立ち位置という程でもなく。いっそ無人機のAIに人格を持たせてしまえば……それだとほぼマクロスプラスになってしまう?

無人機の親鳥アーセナルバード

 

マルチプレイ

 キャンペーンモードを1周クリアした時にちょこっと遊んでみた。最初は楽しかったがどうにも集中力が続かない。常時ミサイルアラート音で相手全員生身のエースパイロットだからそりゃ疲れる。対戦だけじゃなく協力プレイが出来たら良かったのに。

 

ストーリー

 自分がAC4を好きな理由の1つに主人公が敵の恐れるエースに成長していく過程を描いた熱いストーリーだからというのがある。果たして7はどうだったか? うーん、いまいち印象に残らない主人公だったような。

 「お前たちは捨て駒だ」「代わりはいくらでもいる」と上官から散々罵声を浴びせられ続け、「よし、ここは主人公に任せろ!」という気負いが起きなかった。終いには「エースはお前だけじゃない、生き残ってる全員がエースだ」と主人公の活躍否定とも受け取れる言葉を頂いてしまう。そりゃないよ!

 AC5やZEROは僚機へのコマンドを出せたり搭乗機を選べたりと仲間と一緒に戦ってる感が強かった(しかも頼りになる)し、それがストーリーにも密接に繋がっていた。対して、7の主人公は一人孤軍奮闘してた印象。

 幕間のムービーもメカニックの女性視点で描かれるが、彼女自身や周りの人間の話をしてることが多く、主人公について語ってる場面は意外と少ない。エルジアの王女様も結局何がしたかったのかよく分からず……。

 敵が無人機ではなく生身の人間相手だったらまた違う展開になったのかなぁ? 色々描きたいという想いは分かるんだけれど纏めきれなかったという感じ。ハーリング元大統領の機体はなんで軌道エレベーターにUターンしたの?

幕間のストーリーは彼女、スクラップクイーンの視点で語られる



至高のVR体験

 ちょっと残念な感想ばかりになってしまったがVRモードは最高 of 最高だった。「戦闘機に乗って空を飛んでみたい」を本当に叶えてくれた。しかもメビウス1になって再び飛べるなんて!

 コクピット内の計器がちゃんと機体の動きに合わせて動く、見下ろせば雲が眼下にある、敵機とすれ違った時に体を捻ってそっちを見る、とにかく没入感が半端ない。甲板からの発艦シーンなんてデンジャーゾーン流しながらプレイすれば気分は完全にトップガンの世界!

「飛んでるよ……本当に空飛んでるよ!」

 感覚が通常モードと全く違うせいか、着艦が上手く出来ずもたもたするっていうのを何度もやってしまった。空の上では(それなりに)エースパイロットなのに着艦が下手くそ過ぎるメビウス1……。

 VRモードで見たい方向を「見る」という行為が自然過ぎて、通常モードでのカメラ操作がいかに不便かということにも気づいてしまった。視認性は圧倒的にVRモードの勝ち。正面から画面外に行ってしまった敵機の向いてる方向や高度などを把握するのが本当に楽で、次に自分がすべき操縦も判断がしやすかった。

 通常モードのミッションを全てVRモードでプレイ出来たらなぁ! ミッション3つのみはやはり少ない。バイオハザード7が通常モード・VRモードどちらでも全編プレイ出来るハイブリッド形式だったけれど、ああいう形にするのは難しいのだろうか。追加コンテンツやおまけ要素ではなく、ただ本編の内容をそのままVRでも遊べる形。今からでもフルプライス、いや多少高くてもいいので出してくれたら即買います。

 

 

まとめ

 個人的に期待値が大きかった分、色々残念な部分が目についてしまったけれど、色々な姿を見せる空を自由に飛ぶ体験は他ゲームでは味わえない「エースコンバットらしさ」のままであって、且つそこの正当進化した部分をきちんと見られたのは良かった。DLCも予定されているみたいで、それがもう少し遊びやすく爽快感のあるミッションだといいなぁと期待。

 そしてVRがとにかく最高で、この唯一無二の極上体験が出来たことに最大限の感謝。