オクトパストラベラーが面白かった!【ネタバレあり感想】

 7月13日にSQUARE ENIXより発売されたNintendo Switch用ソフト、『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)』をクリアしました。

 ゲームは沢山遊んでいるんですが、クリアしてもtwitterにちょろっと感想書いて終わりというのばかりだったのいかんなぁと思い久しぶりにちゃんとブログに。基本ネタバレ、後半は特に全開なので未プレイの方はお気をつけて。

 

 

グラフィック

 なんといってもこのドット絵! スーファミ時代のスクウェア製ドット絵RPGが好きで遊んでいた世代にはどストライク。単純なドット絵ではなく、背景の陰影やエフェクト(水の揺らぎ、灯りの反射など)は今の3DCG技術で描かれていて上手にマッチしています。でも葉がついてない木が風で揺れまくるのはちょっと怖かった……。

 

 

音楽

 めちゃくちゃいいです。オクトパストラベラーで個人的一番の推しポイント。中世ヨーロッパを思わせる世界観からかオーケストラを基調としていて戦闘曲は本当カッコいい。特にボス戦はテンション上がりまくり。中でも上位職ボス戦の『理を司る者』が最高過ぎてずっと聴いていられるほど。

 キャラ毎のテーマ曲もいい。特にトレサのテーマは広い世界に対する希望、ワクワク感が伝わってきて一番好きです。


『project OCTOPATH TRAVELER(プロジェクト オクトパストラベラー)』楽曲収録紹介映像

 

 

フィールド・ダンジョン

 フィールドは街と街の間を繋ぐほぼ一本道。たまにダンジョンや別の街へ向かう分岐があるくらいで、一度着いた街はファーストトラベルで飛ぶことが出来る。ダンジョンもコンパクトで迷うことは全く無かったが、そう何度も来ることにはならないのでもうちょっとボリュームあっても良かったと思う。逆に「広大過ぎてどこいけばいいか分からなくなるからちょっと……」みたいな人には優しくていいかも。街は丁度いい大きさ。あまり大き過ぎると自分もげんなりしてしまうタイプ。

 ダンジョンはテリオンしか開けることが出来ない宝箱が必ずあるので、パーティーメンバーに入っていないとまた来ることになってしまうのはちょっと面倒。そのせいもあって新しいダンジョンに行く際は必ずテリオンを入れておくようにしてしまった。

 

 

ストーリー

 主人公の8人がそれぞれ旅に出るきっかけは割とリアル。「商人としての見聞を広めるため」「王女とのスキャンダルを疑われ追放されたから」とか。なぜか踊子のプリムロゼだけやたら重い(親は殺され復讐を誓うも夜な夜な慰みものにされ挙句の果てに友達も目の前で殺される)のが気になりましたが……。

 8人全員仲間にせず進めることもできるし、やろうと思えば一人旅も可能。その仕組みのせいか、キャラ同士のストーリーに絡みがほぼありません。目的がバラバラなのに一緒に旅をする理由がいまひとつ弱い印象は受けました。個々のストーリーはいいんですけどね。これは後のネタバレ度高めのとこでも触れます。

 自分的にはアーフェンのストーリーが凄く良かったなぁ。薬師として救う命、救うべきではない命、深かった。

 

 

戦闘

 ブーストとブレイクシステムのお陰で戦闘が楽しいです。上手くタイミングが合えば超絶ダメージ出せるのが気持ちいい。ただ、ブーストを1つでも使った次のターンはBP(ブーストポイント)が自然回復しない仕様のせいで、アイテム使って直接BP回復するのが強いんですよね。強いというかボスと戦う場合ほぼ必須。でもお店では売っていないので盗んだり敵のドロップ集めたりしないといけない。この仕組みは要らなかったんじゃないかなぁ。

 キャラ毎に相性のいいジョブ・アビリティを探すのも楽しかった。トレサなんかは補助的役割の運用が多かったのにルーンマスターになったら強いこと強いこと。まぁ一番可愛いのは狩人姿なんですけどね!

 

 

システム

 キャラそれぞれに特有のフィールドコマンドがあって、NPCからアイテムを買ったり情報を聞き出したり戦ったりと色々できます。Falloutのそれに近いイメージ。(倒しても死んで退場したりはしませんけどね)病気になってる子供からキャンディ盗むとか、道に迷って困ってる老人をはっ倒して放置とか鬼畜なこともできる(笑)面白いのはそれぞれのNPCに細かくバックボーンがあること。サブクエストのヒントになっていたりもしてついつい読んでしまう。

 これなんか孤児院にいた女の子から持ち物盗もうとしてる酷いシーンなんですけど、持っているものが「ぬいぐるみ」と「劇薬」って闇が深くありません? なんでこんな物を……と色々妄想するのも楽しかった。



 

[注意] ここからネタバレ度高め

 ゲーム終盤の核心に触れるので、未プレイ・未クリアの人は見ないほうがいいです。

 

 

 

 

 

 

 8人それぞれ旅の目的が違うのでラスボスも別々にいます。それはいいんですが

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トレサ編のボス、エスメラルダ。いきなり出てきた感が強く、しかもあまり強くない。トレサの手記を別の何かと勘違いしたようで、それが何か分からないまま終わってしまった。(トレサが選択主人公だったので唐突にエンドロールだった)

 これが一体何だったか分かるのは8人全員のストーリーをクリアした後。フィニスの門というエクストラダンジョンに出てくる8体のボスを倒し、その後に出てくる真のラスボス的存在を倒して初めて分かるようになっている。

 ここで震えました。8人のストーリーに絡みがないといいましたが、実は全て繋がっていた。

 トレサが持っていた手記を書いた本人で、アーフェンを小さい頃に救った恩人さん、そしてハンイットが追っていた赤目。全て同一人物だった。

 赤目と戦った場所の柱を調べると確信に。(ハンイットが赤目の思考が読めないと言っていたのは魔物ではなく人間だったから)

 8人の物語はリブラックという魔女、そしてガルデラ神に繋がっていた。

 「こうくるかー!!」と叫びそうになりました。と同時に「なんでこれがメインストーリーの最後ではないんだろう?」という疑問も。これだけストーリーの根本となっている重要な話をクリア後のおまけ的要素みたいなもの(気づかない人もいそう)にしてしまったのはあまりにも勿体無い。これを5章にして全員の旅が帰結する形にした方が良かったのではないかと強く思いました。

 ちなみにガルデラはめちゃくちゃ強かった。平均レベル63くらいで挑み、初見はあっさり全滅。対策を練った上で再チャレンジし倒すことは出来ましたが、フィニスの門に入ってから出てくるまで4時間ほどかかってました……。達成感半端ない。




 

まとめ

 最初は懐かしさを感じるドット絵のグラフィックに興味を惹かれました。「今の時代に出るドット絵RPGってどんなのだろう?」と。実際に遊んでみると、シンプルでテンポよい戦闘、8人それぞれの魅力が溢れるストーリー、その物語を盛り上げる音楽、どれも高いレベルでまとまっていて新規タイトルとしては満足度が凄く高かった作品でした。最近はどうしてもリッチな3D作品が多い中、スーファミ時代の古き良きJRPGの正当進化した形を見せてくれた気がします。

 売上や評判もなかなかいいみたいで、追加のストーリーが配信されないかなぁとか、そして気が早いですが続編にも期待しています。